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赤ちゃんのイラストにオムツと並んで必ずと言っていいほど描かれているのが「おしゃぶり」。一般的に、寝かしつけるときや、ぐずったときなどに使われています。最近は凝ったデザインのものも増えましたが、日本では常用するのはせいぜい1歳くらいまで、遅くとも2歳半までにはやめさせるべきとされています。
対してアメリカでは4歳くらいまではおしゃぶりをすることを推奨しています。この違いはどこからくるのでしょうか。
日本ではおしゃぶりを常用していると「歯並びが悪くなる」という説が最も有力で、開咬(かいこう)や反対咬合などの咬み合わせにもなりやすいと言われています。一方アメリカでは、「鼻呼吸が身につくから」「舌の使い方を覚える」、さらに「就寝時に使用すると乳幼児突然死症候群のリスクを減らせる」という研究結果まであるようです。
「いったいどちらが正しいの?」と混乱してしまいそうですが、実際にはアメリカでも「おしゃぶり推進派」ばかりではありません。歯並びへの影響だけでなく、いつもくわえているせいで言葉の発達が遅れてしまうことが懸念されています。
本来呼吸は「鼻から吸って鼻から吐く」ものです。空気中にはウィルスやアレルギーの原因となる花粉やほこりなどが浮遊しています。それらは 鼻から息を吸うと、鼻毛や鼻の粘膜に絡めとられます。言わば天然のフィルターですね。また、取り込んだ空気を適切な湿度にしてのどや肺を乾燥から守る加湿器のような役割も果たしています。
口で呼吸していると、こうした物質や乾燥した冷たい空気をダイレクトに吸いこんでしまい、のどが炎症を起こしやすくなります。また、口腔内が乾燥すると唾液が不足して細菌の繁殖を促進してしまうため、歯周病や口臭の原因となります。
口を閉じないことで口周りの筋肉が衰え、口角が下がったり常に口が開いたりしているようになり、見た目もよくありません。この「口が常に開いている」という状態は歯並びに影響する原因となります。下あごや舌の位置が下がって、上あごに外側からの圧力がかからなくなると、前歯が出てしまったりしっかり咬み合わさらなくなったりします。
赤ちゃんは母親の胎内にいるときから指しゃぶりをしていると言われます。そのせいか、指をしゃぶると本能的に落ち着きます。最も身近にある玩具でもあり、物の形や自分の体について認識する助けにもなるため、1歳くらいまではむしろ推奨されているほどです。
しかし、あまり長く続けていると指にタコができたり、ふやけて傷ついたりする恐れがあるので、かわりにおしゃぶりを使うというわけです。また、公共の場や寝かしつけのときに赤ちゃんがぐずりだすと、すかさずおしゃぶりをくわえさせて静かにさせる、という光景も見られます。他人に迷惑をかけないように、という配慮からなのでしょうが、「栓をする」みたいで抵抗があるという人もいるようです。
おしゃぶりにはよい点も悪い点もあります。言葉を発し始めたら常用しないこと、おしゃぶりに頼りきりにするのではなく、子どもがぐずったらその理由を理解しようとしたり、声をかけたりするなどコミュニケーションをおろそかにしないことなどに留意して賢く使いましょう。小児科医と小児歯科医による保険検討委員会は、おしゃぶりだけでなく指しゃぶりも「2歳半までにやめさせるべき」と勧めています。
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